子どもたちの学びをまちづくりに生かそうと、交流広場を持つ客船ターミナル「Hi-NODE」で3月17日、東京都港区立芝浜小学校(宮﨑直人校長、児童645人)の4年生の児童が地域の課題を解決するアイデアを発表するイベントが開かれた。子どもたちはデータを基に問題を発見し、ゴミ拾いが楽しくなる仕掛けや高齢者をターゲットにしたショッピングモールなどのユニークな解決策を提案していた。
同小4年生では「総合的な学習の時間」で「つくろう新しいまち」をテーマに、地域をもっと良くするためにアンケートや実地調査を行い、地域の課題をまちづくりの視点から解決することを考えてきた。授業には、港区の地域事業「SKDs学びのまちプロジェクト」の一環で芝浦一丁目地区まちづくり協議会などが協力し、ゲストティーチャーとして子どもたちの相談に乗るなどしながら、この日の発表を迎えた。
子どもたちは芝生広場でグループごとに分かれ、自分たちが考えてきた課題とその解決策をプレゼンテーション。
地域には高齢者が増えているものの、「お年寄りにとって居心地のいい場所が地域にない」と気付いたグループでは、ジョギングコースや温浴施設を備えた高齢者が楽しめるショッピングモールを考えた。実際に建物の模型をつくり、中にどんな施設が入っているかをのぞき込めるようにして、発表を聞いた人が具体的なイメージを持ってもらえるように工夫していた。
また、どうしてポイ捨てをする人がいるのかを問いにしたグループでは、紙芝居や劇を交えてポイ捨てをしてしまう人の心理を分析。そこから導き出したアイデアの一つが、ベンチをペンキで塗ることだった。発表した児童は「実際にまちを調べていて、きれいなまちならば、ゴミを捨てようとは思わなくなるのではないかと考えた」と説明した。
イベントをテーマにしたグループでは、分別を意識してゴミを捨てるとポイントが与えられ、おみくじができる仕掛けを提案。発表を聞いていた児童や保護者に疑似体験してもらっていた。このグループの児童は「まちを歩いていて、ゴミが多いと思った。グループのテーマはイベントだったので、楽しいものにしたかった」と話す。
【キーワード】
PBL Project Based Learning の略で、具体的なプロジェクトに取り組みながら問題解決能力を身に付ける学習活動。問題や課題を発見し、解決していくまでを実際に実践していきながら、その過程でさまざまなスキルや学びを得られる。