(読者の窓)伝統を未来へ

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 本校では、学区にある遠島地区の伝統工芸「七宝焼」の学習に長年取り組んでいます。七宝焼は、金属の上に色鮮やかなガラス釉薬を焼き付ける、美しい工芸品です。この学習を通じて、子供たちは地域の伝統工芸の素晴らしさを理解し、地域を愛し、誇りに思う気持ちを育んでいます。

 七宝焼学習は、3年生から始まります。七宝焼アートヴィレッジを訪問し、七宝焼の歴史や制作方法を学びながら、小物を制作します。初めての体験に戸惑いながらも、作業を進める中で丁寧さや集中力の大切さを学びます。4年生では、さらに制作体験を深め、七宝焼への理解を広げています。5年生では、制作体験やバックヤード見学を通じて七宝焼の技術や奥深さを学びます。また、窯元を訪問し、職人さんの技術を間近で見ることで、伝統を守る大切さを実感する機会を得ています。6年生では、卒業制作として共同作品を作ります。全員が協力し、一つの作品を完成させる中で、達成感や連帯感を深めています。完成した作品は卒業式後にアートヴィレッジに展示され、多くの方々に見ていただいています。

 このように、3年生から6年生までの4年間の学習を通じて、子供たちは郷土の伝統工芸に対する関心を深め、地域への理解を育んでいます。今後もこの学習を通じて、子供たちが地域とつながり、伝統を未来へつなげていけるような取り組みを続けていきたいと考えています。

 (野田宗臣・あま市立宝小学校長)

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