本校では、「わたしが好き!なかまが好き!金屋小が大好き♥」を合言葉に、学習と生活の両面から「ねばり強く取り組む子」「ともに学ぶ喜びを味わう子」をめざすことにした。
研究を進めるにあたり、トップダウンではなく、教員の主体性を大切にしたいと考え、校内の研究組織に三部会「授業部会」「人間関係部会」「情報活用部会」を設け、力量向上に努めてきた。
(1)「授業部会」では、授業力向上をめざし、2つの取り組みを行った。
1つ目は、話し方や聞き方の向上である。学年や子供の実態に応じた目標を、教室の黒板上に掲示した。発表時や聞く時に意識させることで、子供たちの話し方や聞き方が向上した。
2つ目は、授業公開週間である。簡略化した授業案を用いて互いに授業を見せ合う場を設定したことで、気軽に学び合う素地ができた。また、授業を見る目を養うために、兵庫教育大学教授山内敏男先生を講師として4回お招きした。ALACTモデルに基づいた教師と子供の一致やずれを見取った協議会をご教授いただき、子供の思考をとらえる大切さを学んだ。山内教授のご助言により、子供が夢中になる単元構想(3年算数科・仲間と試行錯誤しながら学ぶ重さ調べなど)や、子供の思いを大切にするICTの効果的な活用法など、子供に寄り添った授業を実践することができた。
(2)「人間関係部会」では、研究の土台は、安心できる人間関係であると考え、2つの取り組みを行った。
1つ目は、WEBQUの活用である。結果からさらなる効果的な手立てを考えるために、名古屋産業大学准教授本田真先生をお招きし、見識を深めた。その後、学級担任は抽出児を決めて個をとらえ直したうえで、適切なタイミングで声をかけたり、意図的に役割を与えて賞賛したりすることで、学級や子供たちを支えてきた。
2つ目は、よりよい人間関係のために、朝学の時間にSSTなどを行い、コミュニケーション能力の向上をめざした。また、互いに学び合う場を設定し、実践することで、教員の力量向上につなげることができた。
(3)「情報活用部会」では、本校の教育DXの推進に取り組んできた。そのため、Googleアプリを活用し、クラウドでの会議資料や教材の共有を進めたり、クラスルームを用いて学級活動や委員会活動の交流を行ったりした。また、フォームを活用した学校生活アンケートを行うことで、集約や分析が容易になり、問題を抱える子供への対応が瞬時に行うことができるようになった。
教育DXを進めることで、業務時間が削減し、教員の子供と向き合う時間を増やすことにつながった。
研究に終わりはない。今後も、研究主題を大切に金屋小にかかわるすべての人が、金屋小が大好きと思える研究を進めていきたい。
(文責・伊藤克裕校長)