タレントの横澤夏子さんが5月22日、東京都千代田区で開催された「日本財団 海のそなえシンポジウム2025」に登壇し、水難事故防止をテーマに意見交換した。子どもたちが溺れないための教育についても触れられ、水泳の授業の在り方や教員への負担など課題が指摘された。また同プロジェクトの新たな試みとして、水に流されたときの対処法などを体験できる教育プログラムが、今夏から始動することも発表された。
同イベントでは水難事故防止をテーマにさまざまな視点からトークセッションが行われ、学校教育など子どもへの啓発についても意見が交わされた。
日本ライフセービング協会副理事長で、現役の教員でもある松本貴行氏は水泳の授業を巡る課題について、「先生たちは、どうしても子どもたちを泳げるようにしなければならないと思いがち。子どもたちの命を守るために、溺れないための技能を何よりも優先して教えてほしい」と話した。
一方で、教員が全てを教えることは難しいとも指摘し、「私たちのような団体とつながって、預けてほしい。(学校と専門団体が)接点をつくることが大切だ」と連携することの必要性を強調した。
同テーマで登壇した横澤さんは「泳ぎの早さやフォームの美しさだけでなく、安全に泳げるかも教育に組み込んでほしい」などと話した。
またイベントでは、水に流される体験やその対処法を実技で学べる教育プログラムが、今夏から始まることが発表された。東京五輪で整備されたカヌー・スラロームコースを会場に、人工的に流水をつくり「流される感覚」と「対処行動」を安全に体験することができる。
6月と7月には、教員も含む指導者に向けた研修プログラムも実施される予定。