教員の休職減へメンタルヘルス対策充実を 自民党が提言

教員の休職減へメンタルヘルス対策充実を 自民党が提言
武部文科副大臣(右から2人目)に提言書を渡す自民党議員ら=撮影:山田博史
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 教員のメンタルヘルス対策を検討している自民党の国会議員らが6月5日、文部科学省を訪れ、精神疾患による教員の休職の減少に向けて、学校職場環境の整備や、産業保健師など専門職の市町村教育委員会の配置促進などを盛り込んだ提言書を、武部新(あらた)文科副大臣に渡した。

 文科省を訪れたのは、自民党の田畑裕明衆院議員や山田賢司衆院議員、平沼正二郎衆院議員ら、同党の「教員のメンタルヘルスに関する勉強会」のメンバー。

 文科省の調査によると、2023年度に精神疾患で病気休職となった教職員は7119人に上り、3年連続で過去最多を更新して、抜本的な対策を求める声が高まっている。

 提言では、教員の休職者の増加が教員不足といった子どもたちの教育環境に直接影響を与えるものだとして、休職者を減らすとともに、休職中の教員が1日でも早く復帰できるよう一刻も早い対応が必要だと指摘。専門家や先進的な取り組みを進める教育委員会などからのヒアリングを基に、具体的な対応策を提示した。

 この中では、教員がメンタルヘルスを保ちながら働くことができる学校職場環境の整備に向けて、少人数学級や教科担任制、中学校の生徒指導担当教師など、教職員定数の一層の改善や支援スタッフの充実といった、学校の指導運営体制の確立を求めている。

 また、保護者などからの過剰な苦情や不当な要求が大きな負担となるケースもあることから、外部専門家によるクレーム窓口の設置や、スクールロイヤーの教育委員会への配置を進めるべきだと促している。

 教員の休職者数・休職率減少対策の改善充実に向けては、精神疾患の未然防止に有効とされるストレスチェックの効果的な活用や、産業保健師など専門職の市町村教委への派遣促進をはじめ、休職に至ってしまった場合に専門家の支援も得て早期に復職するための、復職支援プログラムの充実にも取り組むべきと指摘している。

 さらに新規採用教員も含めて教員が気軽に相談できる体制の充実や、未然防止を図るため専門人材を活用した研修プログラムの実施を求めている。

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