2024年に警察が検挙した児童虐待事件は2649件で、過去最多となったことが6月5日、警察庁の集計で明らかになった。児童虐待事件の被害児童数も2700人に上り、過去最多だった。
それによると、通告児童数は12万2378人で、前年より428人減少したが、依然として高い水準で推移している。虐待の内訳は▽身体的虐待 9万418人▽怠慢・拒否 1万80人▽性的虐待 346人▽心理的虐待 2万1534人。身体的虐待の中には、5万2737人の面前DVが含まれている。
また、児童虐待事件の検挙件数は前年に比べ264件増加した(=グラフ)。虐待の内訳は▽身体的虐待 54件▽怠慢・拒否 28件▽性的虐待 431件▽心理的虐待 2136件。
児童虐待事件の被害児童数は男児1374人、女児1326人で、前年より285人増えた。そのうち、死亡児童数は52人で、2020年以降、3年連続で減少していたが、24年は前年よりも24人増えた。無理心中や出産直後のものを除いた死亡児童数は19人だった。
被害児童と加害者の関係を見ると、養父・継父、内縁を含めた父親などが72.2%を占めた。
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児童虐待 保護者や教職員など子どもに関わる大人が、子どもの心身を傷つけ、成長や人格形成に悪影響が及ぶ行為。主に身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、世話を放棄する、子どもの情緒的欲求に応えないなどのネグレクトに分けられ、児童相談所による児童虐待の相談対応件数は増加傾向にある。