あいちの学び推進課 担当課長 三矢 克之
中学校に勤務していた20代後半。陸上部の指導に没頭していた頃を懐かしく感じる中で、思い出すのは、部を立て直す過程で、子供たちと共に汗を流した日々の練習です。
その時に関わった教え子が、今、地元の陸上競技普及の担い手として、協会の活動を進めています。現在、私もその協会のスタッフとして、月に2回程度開催する小学生の陸上教室のお手伝いをしており、主に低学年の子供の指導をしています。通う学校が異なる子供に指示を出して一つの活動につなげることは、難しいですがとても面白くやりがいがあります。スタッフは、教員よりも企業などに勤めている方が多く、楽しく活動をしています。
また、校区の中学生に活動補助のボランティアを依頼しており、最初は陸上部の子たちだけでしたが、今は他の運動部、文化部の子たちも来てくれます。準備・片付けなどだけでなく、小学生と関わり活動を支える中学生の姿は素晴らしく、スタッフの私たちも学ぶことが多いと感じています。
今後は、教室の対象を中学生まで拡充して、部活動との連携を模索していく必要があると考えています。では、部活動と地域クラブ活動はどのように連携すると良いのでしょうか。
「部活動改革」の大前提は、継続的に子供のスポーツ・文化芸術活動を保障することです。既存の部活動をそのまま地域に移すと考えるのではなく、学校と地域が知恵を出し合い、持続可能な形で地域の活動を展開することではないでしょうか。10年先、子供の減少が顕在化した学校は、部活動運営が成り立たなくなり、そうなってからでは「時すでに遅し」だと思います。
ここ数年、愛知県内においても、コミュニティ・スクールを導入する学校が増えています。コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進は、「地域の子供は地域で育てる」ことを具体化し、地域の教育力を高める手段です。その中で、地域における子供のスポーツ・文化芸術活動を行うことも方策の一つと考えます。そして、希望する教職員は、地域住民として、その活動に関わっていくことができるはずです。
部活動の教育的意義を継承・発展させ、新たな価値を創出する地域クラブ活動となるように、自分のできることから取り組んでいき、地域の担い手の出現を期待したいと思います。