【私を支えた「この一冊」(56)】ジレンマ資料による道徳授業改革―コールバーグ理論からの提案―

【私を支えた「この一冊」(56)】ジレンマ資料による道徳授業改革―コールバーグ理論からの提案―
【協賛企画】
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​  20代の頃、道徳の授業のおもしろさに気付いた。発言からそれぞれの子供の内面が垣間見えるからだ。

 「同じ行為であってもなぜそれが正しいのか、善いことなのか、について、その理由を道徳性の発達という観点から分析すると、全く違う」。

 本書でコールバーグの道徳判断における六段階の認知的発達段階を知ったとき、衝撃を受けた。そして、子供を見る目が変わった。

 授業で、「正直に言う」という行動の理由を子供に問うたとき、段階一「もっと叱られる」、段階三「心がすっきりする」といった、一人一人の道徳性の発達段階が手に取るように分かった。また発達段階の違いを理解し、手だてを講じた授業を行っていくことで、個々の成長を実感する喜びを感じることができた。

 子供をよく見て発達段階を認知し、一人一人の成長を心から称賛することを教えてくれた大切な一冊である。

 (原田真弓・岡崎市立矢作西小学校長)

荒木紀幸 著 明治図書出版
​荒木紀幸 著 明治図書出版

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