20代の頃、道徳の授業のおもしろさに気付いた。発言からそれぞれの子供の内面が垣間見えるからだ。
「同じ行為であってもなぜそれが正しいのか、善いことなのか、について、その理由を道徳性の発達という観点から分析すると、全く違う」。
本書でコールバーグの道徳判断における六段階の認知的発達段階を知ったとき、衝撃を受けた。そして、子供を見る目が変わった。
授業で、「正直に言う」という行動の理由を子供に問うたとき、段階一「もっと叱られる」、段階三「心がすっきりする」といった、一人一人の道徳性の発達段階が手に取るように分かった。また発達段階の違いを理解し、手だてを講じた授業を行っていくことで、個々の成長を実感する喜びを感じることができた。
子供をよく見て発達段階を認知し、一人一人の成長を心から称賛することを教えてくれた大切な一冊である。
(原田真弓・岡崎市立矢作西小学校長)
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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