「花いっぱい運動」を中心とした 人間性豊かな児童の育成 ◇名古屋市立高蔵小学校◇

「花いっぱい運動」を中心とした 人間性豊かな児童の育成 ◇名古屋市立高蔵小学校◇
児童がデザインしたチューリップメイン花壇
【協賛企画】
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はじめに

 子どもは学校と地域で育てるという意識、また愛校心が強い地域であり、学校行事をはじめ、さまざまな場面で、多大な惜しみない協力・支援がある。児童は素直で礼儀正しく、笑顔あふれる落ち着いた学校である。

 学校教育目標は、(1)進んで学ぶ子「学びいっぱい」「花いっぱい」(2)自他を大切にする子「思いやりいっぱい」「あいさついっぱい」(3)心身ともに健康な子「元気いっぱい」「笑顔いっぱい」

 以上の(1)知(2)徳(3)体の3点を通して、「人間性豊かな児童の育成」を目指している。

 その中でも、「花いっぱい運動」は、1975年から50年近く行っており、チューリップの栽培を通して、家庭や地域の方々とともに、思いやりの心、感動する心を育む教育を紡ぎ続けている。

研究概要

 本校では、生活科・総合的な学習の時間を軸 にして、「花いっぱい運動」と各教科を関連させた指導計画を立てるとともに、それらの学習を通して身に付けさせたい資質・能力を明確にした探究的な学習を行ってきた。「花いっぱい運動」では、児童が夢中になって学習に取り組む姿を見ることができる。

 この姿は、名古屋市が策定した子ども中心の学びを推進する「ナゴヤ学びのコンパス」での「重視したい学びの三つの姿」

((1)自分に合ったペースや方法で学ぶ(2)多様な人と学び合う(3)夢中で探究する)に合致している。

 これまで、生活科・総合的な学習の時間を通して探究的な学習に取り組んできた本校で、自分に合ったペースや方法で学びながら、多様な人と学び合うことの価値を知りながら、「夢中で探究する子」の育成を引き続き図っている。

 具体的には、全学年で「一人一鉢運動」を行い、各学年において系統的に活動が実施されている。1、2年生では、チューリップに親しみをもつことができるように活動している。3年生では、さらにチューリップについての理解を深めながら、それを伝える方法を考え、4年生では、春のチューリップ祭りのPRを担当している。5年生では花壇をデザインし、6年生では、活動の集大成として、地域の方々や区役所の職員に向けて発表会が継続されている。

おわりに

 「学びのコンパス」の伴走とは何か。相手の様子をよく把握しながら、自分のペースや対応を変えていく「演奏」ではなく「伴奏」が当てはまるのではないか。また、パラ競技の伴走者はアスリート以上のスキルをもっていないとできないが先にゴールはしない。マラソン競技の伴走者はアスリートが優勝してもメダルがもらえるとは限らない。この向上心と姿勢を教職員からよく感じられる。同僚と伴に走ることができる環境かどうか検証しつつ、伴に作り上げようとしている「笑顔いっぱい」の「チーム高蔵」だからこそ、目指すべきものを目指して伴に走ることができるのではないかと感じている。

 今後も「笑い合い」ながら、学校のあるべき姿を人間性豊かなみんなで楽しく探究していきたい。

 (文責・八木健太郎校長)

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