「学校における働き方改革」というとき、多くの方は教科などを指導する教員の働き方を思い浮かべるのではないか。働き方改革に関する報道でも養護教諭に触れたものにはお目にかかったことがない。
学校教育法には「養護教諭は、児童の養護をつかさどる」としか記されていないが、職務は学校保健情報の把握、保健指導・保健学習、救急処置および救急体制に関すること、健康診断・健康相談、学校環境衛生に関すること、学校保健に関する各種計画・活動、伝染病の予防、保健室の運営など広範にわたる。
1人職場であることが多く広範な職務を1人で遂行するため、肉体的かつ精神的な負担も大きい。加えて、特別支援教育コーディネーターを兼務したり、アレルギー問題や教育相談などの校内委員会のメンバーになったりして、その負担は大きくなっている。
今年3月に文部科学省から公表された「養護教諭の業務の在り方に関する調査研究」によれば、教職員用PCを用いて行う作業は「健康診断に係る業務」「健康観察に係る業務」「啓発資料等の作成の業務」「書類等作成の業務」「保健室利用状況の管理の業務」など広い範囲におよぶが、活用している校務支援システムの機能は「健康診断の結果の通知・管理に関する機能」「保健室来室記録に関する機能」などに限られている。
人的な支援についても校内の他教職員との業務分担・連携が多い。スクール・サポート・スタッフや保健事務補助職員らによる補助をさらに充実させるなどして養護教諭の業務改善を進めていく必要がある。