(こだま)ラーケーション

(こだま)ラーケーション
【協賛企画】
広 告

 9月、学習活動が最も充実する2学期を迎える。

 愛知県では、地域をフィールドに家庭で子供の主体的な学びを促す「ラーケーションの日」が今年も実施されている。3年目になる。昨年度の取得率と日数は、小学校では36.2%の1.8日、中学校では24.1%の1.6日、特別支援学校では17.9%の2日であった。この数値には子供の発達段階が大きく関係していると思われる。

 小学校の取得率が一番高い理由は、家庭のスケジュール調整が柔軟であり、親が子供との時間を大切にしていることや家族の絆を深める機会を大切にしていることに因るものと考えられる。中学校では部活動や塾など子供のスケジュールが多用なために取得率が低下する。また、自立心が芽生え、家族との時間を取ることが難しくなる傾向がある。特別支援学校の日数が最長なのは、特定のニーズやケアが優先されることに因るものと考えられる。取得率が低い背景には、家族の負担や具体的な支援体制の不足、会社企業の理解不足などが想定される。

 ラーケーションの実施はさまざまな効果を生む。家族の絆の深まり、地元で過ごす時間の増加による地域経済の活性化、学校での社会的な価値観や家族の在り方の重要性の学び、社会全体が皆リフレッシュし、休日の過ごし方の意識の高まりやワークライフバランスの充実など。小中学校では学習の進捗に影響しない学習を補完する取り組み、特別支援学校では地域社会と連携してサポート体制を整備する工夫、会社企業では休暇取得促進など、課題の克服により、ラーケーションの実施の向上をぜひ図りたい。

 経済界・労働界・教育界の三者の連携協力は、ラーケーションの実施には不可欠である。11月の「あいちウィーク」など、県ならではの良さを活用しながら、ラーケーションがこの実りの多き時期に実施され、豊かな社会の中で、今の時代に合う子供たちの学びを家庭と共に実現できることを期待する。

広 告
広 告