「校内を見せてもらっていいでしょうか」年に数回、このような方が本校を訪れます。現在は他県にお住まいで、豊川の地に来ることは今後ないだろうと母校を訪れる高齢の方です。すっかり変わっている校舎や中庭を眺め、当時を懐かしむ姿があります。
明治6年に妙厳寺(豊川稲荷)籠堂(おこもりどう)内に「育英館」が設立されたことが豊川小学校の始まりです。その後、本校から分離して3つの小学校ができたり、校舎の新築・改築を繰り返したりして現在に至っています。
このような本校は、今年で創立150周年を迎えました。
創立記念日には、ドローンによる写真撮影や、壁のペンキ塗りなどのイベントを行いました。校訓やゆるキャラ、児童全員の手形などを壁に描きました。心に残る1日となりました。
その後も、記念式典での6年生児童による和太鼓披露、課題図書執筆者である水中写真家の高久至さんによる講演会などを実施しました。
地域の方に昔の学校のお話を聞く機会をいただきましが、後日児童がお宅を訪ね追加の取材をしたことや、高久さんの図書のコーナーを設けたところ大盛況だったことなど、たくさんの嬉しいことがありました。
150周年の行事を通し、学校に対する地域の方々の関心の高さを実感するこの1年でした。地域とのつながりを通し、豊かな教育環境を作っていきたいと、気持ちも新たになりました。
(仲田昌弘・豊川市立豊川小学校長)