(読者の窓)自然の恵み

(読者の窓)自然の恵み
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 朝、校門に立つと、雄大な山々が見せる表情や藤・ハス・彼岸花と地域を彩る四季折々の花に心が動かされます。そして、その中を登校してくる子どもたちが、会釈とともにあいさつを返してくれたり、低学年が歩道橋を降りるまで少し足を止め待ってあげる優しさに出会ったりすると、それだけで元気になります。豊かな自然は、大人も子どももゆったりとした気持ちにしてくれるのではないかと思います。

 栽培活動が大変盛んで畑で土だらけになりながら大根やサツマイモを掘る子どもたちには、たくましさも感じます。「大きくなあれ、大きくなあれ」とおまじないをかけながら朝顔に水をやる1年生がほほ笑ましく、願いがかなって安心しました。

 フラワーブラボーコンクールにも参加していて、低学年は土入れ・高学年は種まきと植え替えのように、全校で花壇作りに取り組んでいます。3000ポットの花苗を種から育てる大変な作業も、みんなでやると早くできます。生命尊重や勤労奉仕の気持ちもこうした体験を通して、下学年にも受け継がれ、育まれているとも感じます。

 昔、「人も教育環境だと自分は思う」と言った先輩がいました。子どもが親に似るように、子どもたちに投げ掛ける言葉・表情・感性が影響を与えることを考えると自分自身も気持ちを引き締めていかなければとも思います。子どもたちの身近にいる大人として、自然の恵みを感謝し、成長を見守る大人でありたいと思います。

 (伊藤久美・愛西市立八輪小学校長)

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