あいち発の新しい学び方 「ラーケーションの日」

あいち発の新しい学び方 「ラーケーションの日」
ラーケーションカード
【協賛企画】
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 愛知県では、県民全体のワーク・ライフ・バランスの充実と生産性向上による地域経済の活性化の実現を目指すため、経済界・労働界・教育界とともに「休み方改革」プロジェクトに取り組んでいる。

 土曜日に働いている人が約45%、日曜日に働いている人が約30%いる中で、休みに子供と一緒に過ごすことが難しい家庭が少なくない。平日の保護者が休みの日に子供と一緒に学び、活動することができるように「ラーケーションの日」に取り組むこととなった。(名古屋市を除く)

 いよいよ9月から順次スタートしている「ラーケーションの日」について、紹介する。

 「ラーケーション」とは、子供の学び(ラーニング)と保護者の休み(バケーション)を組み合わせた造語で、平日だからこそできる学校外での学習活動を意味している。

1「ラーケーションの日」とは

 保護者とともに行う校外での学習であるため、登校しなくても「欠席」扱いとはしない。保護者らの休暇に合わせて、年に3日まで取得することができる。本年度については、2学期以降の実施となるため、年に2日までとする。

2ねらい

(1)「休み方改革」プロジェクトとしての側面

 県教育委員会では、家族と子供が一緒に過ごせる仕組みづくりに取り組むことで、県全体の「休み方改革」を推し進めている。

(2)教育的側面

 教育基本法の家庭教育の条項(第10項)に「父母その他の保護者は、この教育について第一義的責任を有する」とあり、子供の教育の全てを学校が抱えるのではなく、保護者の教育力を引き出すことも必要とされている。

 また、中教審答申(2021年1月)では、児童生徒が自己調整しながら学習を進めていくことができるよう指導することの重要性が指摘されており、保護者等と連携して学びにおける子供の主体性を高めることも必要とされている。

3実施対象

・県内の公立学校(小学校、中学校、高校、特別支援学校)の児童生徒(名古屋市を除く)

・私立学校については、各学校の判断に委ねる。

・幼稚園と保育所については、対象としない。

4指導要録上の取り扱い

 「出席停止・忌引き等の日数」における「教育上特に必要な場合で、校長が出席しなくてもよいと認めた日数」として取り扱う。

5実施に向けた学校の準備

(1)導入時期を決定する。

(2)必要事項を決定する。

 (1)届け出の方法を決定する。

 (2)給食の取り扱いを決定する。

 (3)必要に応じてラーケーションを取ることができない日を設定する。(学校行事、テスト期間など)

(3)教職員間の共通理解を図る。

(4)保護者らや地域へ周知する。

6子供と保護者らによる計画づくり

(1)子供と保護者らによる計画づくり

 県のウェブページからダウンロードした「ラーケーションカード」を見ながら、(1)学ぶ日(2)学ぶ場所(3)学ぶことについて計画を立てる。

【活動のポイント】

〇家族で一緒に過ごす時間を大切にする。

〇「何について学ぶか」を事前に子供と一緒に話し合う。

〇遠くに行かなくても、身近な場所にも「学びの場所」は溢れている。家族と一緒に活動すると新たな発見がある。

【学びのキーワード】

自然・科学・環境・実験・観察・産業・スポーツ・文化・芸術・歴史・地理・伝統芸能・国際理解・福祉・SDGs…

【活動例】

〇再発見!地域の史跡を巡ろう

 地元や近隣の史跡を巡る。平日は史跡をじっくり見学したり、ガイドから詳しく話を聞いたりすることができる。地元や近隣にも意外と史跡はある。

〇見つけた!公園の植物を調べよう

 庭や公園で見つけた植物について親子で一緒に調べる。学びのきっかけは身近なところにもたくさんある。

〇収穫の喜び

 家族と一緒に農業体験をしよう

 私たちが口にしている野菜は、どんな人の手で育てられ、どんなふうに育っているのか。収穫体験や農業体験など、普段できないことを家族で一緒に体験する。私たちが口にしている野菜は、どのように育てられているのかを学ぶ。

(2)学校への届け出 

 保護者等が、学校から指定された方法により、期限までに届け出る。

〇学校は、給食費などに関する確認を兼ねて、届け出を受理したことを保護者らに伝えることが望ましい。

〇具体的な活動内容を保護者らや児童生徒に特に確認しない。

7その他の留意点

〇出席簿は、「出席停止・忌引き等」の扱いとする。

〇「ラーケーションの日」の取得に伴う特別な学習上の補習を行う必要はない。(病気などによる欠席者と同様の対応とする)

〇病気での欠席とは異なり、様子の確認などを行う必要はない。

〇事後の報告書などの提出は求めない。

   ◇ ◇ ◇

 また、県政150周年のレガシーとして、今年から11月27日を「あいち県民の日」とすることを契機に、公立学校において「県民の日学校ホリデー」を創設する。(名古屋市立を除く)

「県民の日学校ホリデー」の趣旨

 家庭および地域における体験的な学習活動、その他の学習活動のための学校休業日。愛知への愛着と県民としての誇りを持つ契機とすることを目的としている。また、保護者の有給休暇の取得を促すことも目指している。

「県民の日学校ホリデー」の実施日

◆11月21日から27日までの「あいちウィーク」期間の1日を学校や市町村が「県民の日学校ホリデー」に指定し、休業日とする。

◆「あいちウィーク」には、親子で楽しめるイベントが行われたり、美術館や博物館などの公共施設の入場料が割引きとなったりする予定である

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