(こだま)家族団らんの日々を……

(こだま)家族団らんの日々を……
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 昨年の冬休み前のこと。娘夫婦が子供たちを連れてUSJに行くと言う。もちろん孫たちに学校を休ませてである。娘に「学校を休んで遊びに行くとは何事」といさめると、「旦那の有給休暇がこの日しか取れない」との言葉を残して出掛けて行った。送り出したもののどこかしっくりこない。

 ある年代までの者には、遊びに行くために学校を休むのはもってのほか、学校最優先という考えが常識であったが、2019年10月、こうした認識を一変させる歴史的な見直しがなされた。「不登校児童生徒への支援の在り方について(文科省通知)」である。不登校対応が前提であり、今回のケースとは全く状況は異なるが、国が「学校へ戻すことがゴールじゃない」という方針を示したことは画期的であった。

 さて、県内各地(名古屋市を除く)で「ラーケーションの日」がスタートした。休み方改革プロジェクトの一環として全国に先駆けての取り組みである。学び(ラーニング)と休暇(バケーション)を組み合わせた、県発の新しい学び方・休み方を目指している。学校外での体験や学びの活動を、子供が保護者と一緒に計画し、平日に実行できる日。登校しなくても欠席とならず、年に3日まで(今年度は2日まで)取ることができる日。

 これまで子供と一緒に過ごすことが難しかった家庭が少しでも休日を一緒に過ごすことのできるきっかけとなればと思う。

 また、県では、毎年11月21日から27日までの「あいちウィーク」期間中の平日1日を、学校や市町村が指定して学校休業日とする「県民の日学校ホリデー」も進めている。この休み方改革によって、これまで教育の多くを委ねられてきた学校の在り方を見直し、学校が本来すべきことに集中できるようにしたい。そして、学校と家庭、地域が一体となった教育がなされることを切に願う。

 久しぶりに家族団らんの日々を過ごした孫たちの満足そうな笑顔に接したとき、「これもありかな」と自らを納得させるじいじがいる。

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