【先輩からのとっておきアドバイス】 ICT機器が苦手な私

【先輩からのとっておきアドバイス】 ICT機器が苦手な私
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Q 1人1台端末が配備され、ICTを活用した授業が進んでいます。プログラミング教育も始まりました。しかし、私はパソコンは仕事で使う程度、スマホは持っていますが、電話かLINEかゲームアプリくらいしかやりません。ましてプログラミングは苦手過ぎて調べる気力すら起こりません。ICT機器が苦手な私にとってこれからの新しい教育に対応できないのではと不安でなりません。良いアドバイスをお願いします。(女性・教師歴2年)

A GIGAスクール構想では、ICT機器を活用することで、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を充実させ、「主体的・対話的で深い学び」を実現させることが狙いとなっています。しかし、ICT機器は苦手だという悩みを抱えている人はたくさんいると思います。1人1台端末があっという間に配備され、そのスピードに追い付けない教員は、不安を抱えていることでしょう。これはベテラン教員にも言えることです。

(1)できることからトライ

 一度に全てを覚えることはできません。自分のペースで少しずつ、着実に学んでいくことが大切です。自分が理解できる範囲で学び、徐々に応用できるようになることを目標としましょう。

 まずは、「とにかく使ってみよう」と思う気持ちを持つことです。すごいことをしようとせず、できることから始めてみましょう。例えば、調べ学習などはすぐにできると思います。調べたら、まとめる作業が必要です。そのときにICTをうまく使えないかを考えます。みんなの意見を見える化したいがどうしたらいいか、というような具体的な疑問ができます。まとめたものを発表させるとき、分かりやすい発表をさせるためにICTをうまく利用できないか、という疑問ができます。自分の中で出た、具体的な疑問を一つずつ解決していきましょう。

 「習うより慣れよ」と言います。まずは触ってみることです。そのときには、PDCAサイクルを意識し、効果について自分なりの振り返りも行うようにしましょう。

(2)身近な人から学ぶ

 分からないことは恥ずかしいことではありません。GIGAスクール構想はまだ始まったばかりです。身近な人にどんどん尋ねましょう。ICTを扱うことが得意な同僚はいると思います。授業で使いこなしている同僚の授業を見ることも参考になると思います。きっと、不安に思っている人はたくさんいるので、「教えてほしい」と声を上げることで、「私も私も」と集まり、職員室でのミニ研修会が始まると思います。

 子どもの中にも得意な子はいると思います。時には、子どもに聞いてみることがあってもいいと思います。

 授業で使っていると、想定外のことが起きるかもしれません。それを不安に思うかもしれませんが、そのときはまた尋ねればいいのです。

(3)研修の機会に参加

 ICTを使った授業などの研修が校外でも開かれていると思います。そういったところに積極的に出掛けていくこともいいでしょう。なにかヒントを得ることができると思います。また、本などもたくさん出ていますから、本や、関連したサイトなどからでも学べると思います。

 ICT機器を使っていくと、さまざまなトラブルは起きると思います。また、セキュリティー問題や情報モラル教育などを知ることも必要となってきます。

 「ICTを使って授業をやらなければ」と思い込み過ぎず、「授業のどの部分で使ったら、協働学習ができるだろうか」「どう使ったら深い学びができるだろうか」と考えていくことが重要です。便利な文房具の一つとして、使いこなせたらと思います。まだまだ、奥は深いと思います。一緒に学んでいきましょう。

 (土屋美鈴・一宮市立大和西小学校長)

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