点在する貝塚や古墳、幕末にこの地から広がった騒動「ええじゃないか」、国内有数の規模の干拓地である神野新田、国際貿易港三河港など、本校の校区は、広大な自然の中で、人々が脈々と歴史を刻んできたことを感じられる地域である。また、本校は昨年、創立150周年を迎えた地域に根差した学校である。子どもたちは、校区の人々に支えられながら、また、地域教材に親しみながら地域に愛着を持ち、伸び伸びと学校生活を送っている。しかし、子どもたちが迎える未来は、これまでの延長線上に位置付けられるものばかりではない。時には、他者との協働により納得解を見つけたり、新たな価値を見いだしたりして、答えなき問いに向きあっていかなければならない。本校では、このような時代に必要とされる能力を育むために、問題解決的な学習に取り組んでいる。子どもが問いを持ち、ひとり調べとかかわり合いを繰り返しながら進める物語性のある学び(単元)の中で、どのような教師支援が有効であるのかを主に研究を進めている。学びを通して獲得した資質・能力が、その後の学習活動における見方・考え方として活用されたり、日常生活での興味・関心や行動として示されたりしていくようになること、これが研究を進める私たちの願いである。
1「ひとり調べ」における教師支援の在り方について
(1)振り返りへの朱書き
ア 認める朱書き
イ 価値付ける朱書き
ウ 疑問を捉える朱書き
(2)子どもとの対話
ア 子どもの意識を明確に捉えるための対話
イ 子どもの「ひとり調べ」を支えるための対話
(3)各教科・領域に応じた教師支援(例えば英語科で 、ALTを活用して一人一人の英語表現を確認するなど)
2「かかわり合い」における教師支援の在り方について
(1)座席表をもとにした指名計画
(2)各教科・領域に応じた教師支援(例えば生活科で、ゲストティーチャーの思いを想起させるために手紙を提示するなど)
これらの教師支援の在り方について、実践を通した研究を3年間にわたって続けてきた。
11月1日(水)の研究発表会では、全学級の授業を公開し、協議会を実施する。協議会では、具体的な授業の場面をもとに、本時の「かかわり合いにおける教師支援は有効であったか」の一点に絞って意見交換を進めたい。当日配付する座席表には、本時の「かかわり合いにおける教師支援」を講じることで、授業者が期待する抽出児童の意識も合わせて明記した。
授業や単元づくりの在り方について、完成されたものを示すことはできないが、現時点での取り組みの成果を提案する。どこがどのようによかったのか、改善点として、どの場面でどのようにすることがよかったのか、参加者とともに、語り合う時間としたい。
(文責・太田一郎校長)