1学期も終盤に差し掛かった朝、生徒会執行部員6人程度が生徒玄関に立ちました。どうも生徒会企画で「あいさつ運動」を行うようでした。
私にとって、そこまでは今までも経験のある見慣れた光景でしたが、彼らの胸には何と「ハイタッチ」と書かれた看板がぶら下がっていました。
「?」と思う間もなく、すかさず3年部員が朝のあいさつと共に、私にハイテンションでハイタッチを求めてきたのです。実のところ、その勢いに少しフリーズしてしまいました(もちろん、その後はハイタッチです)。
昨年度までは小学校に勤めておりましたので、「今どきの中学生は、何とパワーがあるもんだぁ」と驚きが隠せませんでした。
ただ、他の生徒がそれに応じた対応ができるのかといささか不安でしたが、この学校の生徒たちは…素通りせず、皆が嫌がらずにハイタッチしているではありませんか。どの学年もです。さすがに驚きの連続でした(手前みそでした)。
その場に漏れ聞こえる言葉から、どうも「ハイタッチ」の原案を生み出したのは、私にハイタッチを挑んできた彼のようです。朝からのテンション高めには、それ相応のリスクはあったものの、確かに笑顔になれました。
若者が時折みせる、こういったアイデアを生み出せる頭の柔軟さ、そして実行力、対応力に脱帽です。
この企画は1週間程度でしたが、とてもインパクトのあった時間でした。
(多田敦・蒲郡市立大塚中学校長)