現在使われている名古屋市教員育成指標は、教職全体を俯瞰してキャリアに応じて力量向上を図ることを目的に2017年に策定されました。
22年8月に指標の策定に関する指針が改正されたことを受け、名古屋市教育委員会でも教員育成指標の改訂に向けて準備を進めています。
新たな教員育成指標では、次の3点を重視します。
○強みと弱みを自己分析しやすくする。
○管理職面談などでの対話を通して、研修の受講奨励をしやすくする。
○成長の変化を実感しやすくする。
これらを実現するために、
次のことをポイントとして改訂する予定です。
現在の教員育成指標は、資質・能力に関するものを主な視点として、経験年数によって段階で区分して示されたものでした。
それを具体的な姿で表記したキャリアアップシート(各視点ごとに3~4つに細分化された項目について3段階で数値化し、合計点を集計)によって資質・能力ごとの高まりを確認しました。
新たな教員育成指標では、キャリアアップシートの内容を教員育成指標に盛り込むことで一本化し、視点の内容を全て「基礎を養う」「専門性を高める」「協働性を高める」「さまざまな役割を果たす」の4段階に分け、具体的な姿として表記します。また、「基礎を養う」の前の段階として、基礎・基本的な内容を「着任時の姿」として表記し、「さまざまな役割を果たす」段階には、教員としてあるべき姿を表記します。視点ごとに4段階のどこまで高まっているか順番に確認することで、あるべき姿を目指してステップアップしていけるようにします。
それにより、視点ごとに高まりを確認した教員育成指標を俯瞰(ふかん)することで、強みと弱みを自己分析することができます。
現在の教員育成指標は、キャリアアップシートで資質・能力の高まりを確認し、研修を計画しました。
新たな教員育成指標では、教員育成指標で自己分析をしたことを管理職面談などで話題にし、対話をする中で強みを伸ばしたり弱みを改善したりするための研修を計画することができるようにします。
そのために、ニーズに合わせて研修体系を見直し、協議を中心とした研修の内容を改善したり、動画コンテンツを充実したりします。
視点ごとの成長の高まりを確認したり、教員育成指標を俯瞰したりすることを、タブレットを活用することで、容易にできるようにします。
それにより、成長の高まりを年度当初と年度末の比較や、前年度との比較をすることができ、成長の変化を一目で実感することができます。
2月には新たな教員育成指標をお示しする予定です。年度末になりますが、視点ごとの高まりをタブレットを活用して確認し、強みと弱みを自己分析することで、次年度の研修につなげていただけたら幸いです。