ケアする人が備えておきたい理念に「トラウマインフォームドケア」があります。トラウマインフォームドケアとは、ケアする人がトラウマ(こころの傷)に関する知識などを備え、「ケアする相手にはトラウマがあるかもしれない」という認識を持って対応するケアの枠組みです。
人が人をケアするとき、ケアする人には望ましい態度を備えておくことが求められます。それは相手のこころを傷つけず、温かみのある開かれた態度です。
教員のこころのために管理職に求められることは、定石通りであれば「ラインケアが生まれやすい職場づくり」でしょう。そのために必要な組織運営の方法はさまざまな書籍や研修で語られていることですし、ここであらためて述べることでもないと思います。一方、教員のこころのケアに携わっていると、組織運営の方法以前に、必要な理念が管理職に備わっていたらと思うことがあります。
働く人のこころのケアはセルフケア、ラインケア、事業場内の専門職によるケア、事業場外の専門職によるケアの4つに分類されます。学校現場にいると、自分を大切にすることは「甘え」や「わがまま」と認識しがちな戦前の文化を引きずっているのか、セルフケアがおろそかにされがちだと感じます。セルフケアは教員のこころのケアにも欠かせません。
教員のこころのケアに携わっていると、精神疾患に対して生まれやすい誤解に気付くことがあります。教員のメンタルヘルスは、職業性ストレスや教員不足の文脈で語られがちです。報道などを通してこうした課題に触れていると、「教員のこころの不調=職業性ストレスによるもの」という先入観を持ちやすくなります。
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