教職の魅力を考えるときに見失ってならないことは、「教職の魅力とは何か」という本質的な問いです。働き方改革がおかしな方向に進んでいるとしたら、「何のための働き方改革なのか」という、当事者による本質的な議論をしていないからです。
前回は、私が関わらせていただいたある小学校の学校改善の事例から、教職の魅力を検討しました。そして、「つながり」の構築によって、学校が魅力的な場所になる可能性に言及しました。
私はこれまで、全国の幾つかの公立学校や自治体に関わらせていただき、教育活動の改善にご協力させていただいてきました。教育活動が改善され、子どもの動きが活性化してくると、そこで働く教員の皆さんのチーム力が高まり、元気になるという現象が見られました。今回はそんなある学校の改善事例を紹介することで、教職の魅力を考えるきっかけにしていただければと思います。
今、学校現場ではブラックなイメージを払拭するかのように、働き方改革が進められています。しかし、それが教職の魅力回復に寄与しているのでしょうか。ある学校では、管理職が「早く帰りましょう」と毎日のように促し、ある学校では「毎週〇曜日は定時退勤の日」と定め、超過勤務の削減に努めていると聞きます。時には、各教員の勤務時間表が張り出されて、「○○先生、もう少し早く帰れませんか?」などと声が掛かるようです。
本連載の第3回でお伝えしたような、せっかく苦労して採用されても何らかの事情で職を辞してしまう教員がいます。教員を辞めた理由についてはニュースバリューがあり、メディアで報じられたり、SNSで拡散されたりします。一方で、どんなにつらい状況に置かれても教職にとどまる教員がいますが、とどまることができた理由についてはあまり話題にされていないのではないでしょうか。
教員採用試験の倍率の低下の理由として、よく指摘されるのは以下の4点です。
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