他人の言葉や評価を気にしない人は少ないでしょう。ほぼ同質の集団で生活を送っている思春期の子どもたちであればなおさらです。どれだけ意識しないよう努めても、気になるものです。それは人間が社会的なつながりを持つ生き物であり、周囲の人々と良好な関係を築き、維持する必要があるからです。
思春期の子どもたちは、時に「周囲にとっての自分の存在」や「自分の居場所」について考えて、不安になることがあります。
人には本能的に「所属欲求」があります。誰かとつながり、集団に属していたいと願う気持ちです。進化の観点から見れば、集団に属することは生存率を高めるために重要です。人間は身体的には弱い存在であるため、仲間と協力することで危険を回避し、食料を確保し、生き延びてきたのです。
若者が読書をするようになってきています。全国学校図書館協議会の2024年6月の調査によると、小学生・中学生共に増加傾向にあるそうです。小学生は調査が始まって以来最高で、学校現場の先生方の努力が報われたということだと思います。
思春期を迎えると小学生時代とは異なり、自分の力で解決しなければならない課題が増えていきます。友人関係や学業、部活動に加え、進路や将来への漠然とした不安も大きな負担となりがちです。このような時期を支える鍵の一つが、「何かに夢中になること」です。 ハーバード大学の研究によれば、人は何かをしている最中でも、その約半分の時間は余計なことを考えていることが多いとされています。
人間には誰にでも「自由への欲求」が備わっています。これは、なるべく制約を受けずに自由でいたいという自然な感情です。そのため、思春期の子どもたちは行動をコントロールしようとする親や教師など身近な存在との関係を息苦しいと感じたり、そこから離れたいと願ったりすることがあります。
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