私たちは、「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」の保護者理解を得るために、中学校のPTA連合会(各学校PTA会長の会合)で説明を行った。皆さんの反応は好意的であった。2021年10月に渋谷ユナイテッドを設立し、「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」を公に広報してから、各所からの反響は大きなものがあった。
経営資源はヒト・モノ・カネである。これに「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」を当てはめると、部活動の地域移行の3大課題は、①教員に代わる指導者等(受け皿)②活動場所等の確保(環境)③指導費等の運営費(財源)――である。
ユナイテッド部活動の文化部として、将棋部、料理スイーツマスター部、デジタルクリエイティブ&e-スポーツ部の3部もスタートさせた。東京都渋谷区には日本将棋連盟の将棋会館がある。また、服部栄養専門学校、株式会社ミクシィ、株式会社フロンティアインターナショナル、eスポーツ高等学院も区内にあり、技術指導をお願いしたところ、快くお受けいただいた。
「やりたい部活動が学校にない!」 「人数が足りなくて、学校チームとして試合に出られない!」 「きちんと教えられる指導者がいない!」 こうした生徒の声に応えるために、2021年のモデル実施を経て22年4月、渋谷ユナイテッドクラブの部活動を正式にスタートさせた。
2021年4月、「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」という名称でいよいよキックオフとなった。この時点では、まだ一般社団法人渋谷ユナイテッドは設立されていない。私は区スポーツ専門員として、当時のスポーツ部の山中昌彦部長、田中豊スポーツ振興課長、石谷望主任、上田理紗主任に支えていただき取り組んだ。
2019年、暮れを迎えようとしていた。 当時、東京都渋谷区の教育長だった私は定例的に行われていた長谷部健区長とのミーティングの席で、部活動のことが話題となった際に「次は部活動改革ですね」と発言した。以前、私は中学校教師だったが、部活動にも当然関わっており、部活動に対する問題意識を持っていた。区長は私の方を向いてうなずき、短く「進めてほしい」と言った。
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