私たちは、「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」の保護者理解を得るために、中学校のPTA連合会(各学校PTA会長の会合)で説明を行った。皆さんの反応は好意的であった。2021年10月に渋谷ユナイテッドを設立し、「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」を公に広報してから、各所からの反響は大きなものがあった。
思いもよらないことだったが、部活動改革に反対する声は寄せられなかった。生徒からは、専門の技術指導者から指導を受けられることや新たな部活動ができることに歓迎の声、詳しく知りたいといった質問や要望なども多く寄せられた。
「フェンシング部の活動について教えてください」
「ダンス部は能力別に分けてやっていただけますか?」
「ボッチャ部として大会に参加したいです」
練習を参観しに来られる保護者も多い。ラグビー部の保護者は子どもの勇ましい姿を見て喜び、ボウリング部の保護者は柱の陰から子どもが投げる姿をほほ笑ましく見ていた。ダンス部の保護者はプロのダンサーらに教えてもらえていることについて、「素晴らしい!とても感謝している!」という言葉を直接、私にくださった。加えて、「一流の指導者に指導をしてもらって、この会費は安いです!」と話しておられた。
渋谷ユナイテッドの会費はこれまでの部費と同程度に設定したが、種目によっては部費を上回る部もある。だが、保護者からは会費のことでもクレームはない。
「うちの子は小学生ですが、小学生の入部はできませんか?」「区内の私立中学校に通っています。入部したいのですが公立でなければ駄目ですか?」といった問い合わせもあった。
今後、小学生や高校生、大学生、大人、在住在勤と対象を広げる構想を立てているが、スタートの段階では公立中学校の生徒に限定して募集した。今年度6月までの入部数は208人、そのうち128人が1年生である。1年生は全く白紙からの選択なので、ユナイテッド部活動に入部する生徒が多かった。次年度も新入生の入部が多いと予想され、年々部員が増えていくことだろう。
このように年とともに既存の部活動からユナイテッド部活動へ生徒が移行すれば、既存の部活動が学校で成立しなくなる。そうなると、学校部活動は一つ二つと廃部となり、学校は教師を顧問にしなくても済む。教員の負担は軽減される。
もちろん、既存の部活動を廃部するだけで終わらせるのではなく、渋谷ユナイテッド部活動にした上で、子どもに不利益が生じないようニーズに応えるようにしていく。