【部活動の新しいカタチ(5)】指導者・活動場所・財源

【部活動の新しいカタチ(5)】指導者・活動場所・財源
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 経営資源はヒト・モノ・カネである。これに「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」を当てはめると、部活動の地域移行の3大課題は、①教員に代わる指導者等(受け皿)②活動場所等の確保(環境)③指導費等の運営費(財源)――である。

 「野球部の顧問が異動するので、野球が指導できる人を紹介してほしい」

 ある中学校の校長から、今年3月、相談を受けた。

 「部活動指導をしていた先生が病気になったので、代わりを探しているがいないか」

 4月に入ってからは、このような相談も受けた。学校は、既存の部活動ができなくなることに困惑する。特に校長や副校長は指導者人材を確保しようと努めるが、なかなか学校だけでは解決しない。

 ここも渋谷ユナイテッドの守備範囲である。そうした状況を踏まえて指導者人材バンクを立ち上げ、前述のような学校部活動の窮状を救えるような体制づくりを進めている。体育協会を通じて、区内外の大学生など地域の方を人材として迎え入れて学校に紹介し、外部指導員として部活動に携わっていただく。

 しかし、そう簡単に指導者は集まらない。ましてや平日の夕方に関われるような人材はほとんどいないと言っていい。それは全国どこも同じだろう。

 まずは2025年度末を目標に休日から段階的に地域移行ということだが、ユナイテッドは平日の地域移行もできるところから進めていく方針である。しかし、やはり人材確保は厳しい。対応としては、平日の外部人材が確保できなければ、しばらくの間は教員が兼業兼職して指導員として関わっていただければと考えている。

 活動場所だが、今年度は学校施設(サッカー部、ダンス部、将棋部、ボッチャ部)、区施設(フェンシング部、ラクビー部)、民間施設(ボウリング部、デジタルクリエイティブ&e-スポーツ部、料理スイーツマスター部)を確保して実施できている。学校施設の利用はもちろん無料、区施設の利用は公用申請で使用料免除。民間施設の利用には使用料を支払っている。

 財源は、生徒からも部活動の部費程度の金額を会費として徴収しているが、今のところ、ほぼ公費での運営である。しかし、渋谷ユナイテッドはこのまま公費で運営を続けるのではなく、企業などからの寄付金や協賛金を募り(徐々に集まり出している)、水泳教室や陸上教室、硬式テニスのイベントなどの収益事業も積極的に行いながら、自走を目指している。

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