施設の実態や自治体の対応など全国調査へ 園児暴行事件受け

施設の実態や自治体の対応など全国調査へ 園児暴行事件受け
閣議後会見する小倉担当相
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 静岡県裾野市の保育園で女性保育士3人(いずれも退職)が園児に対する暴行容疑で逮捕された事件に関連し、小倉将信こども政策担当相は12月6日、閣議後会見で「内閣府でも厚労省とともに、保育所だけでなく認定こども園も含め、早急に注意喚起を行っていくと同時に、(問題行為に関する)認定こども園の実態や自治体における対応を把握するための調査を検討している」とし、全国調査を行う方針を明らかにした。また、虐待など問題を起こした保育士が資格を取り消されるまでの間に他園に就職することがないように、施設と行政が情報共有することの重要性を指摘した。

 今回の事件では市の調査で、1歳児クラスを担当していた保育士3人が、園児に対して足を持って宙づりにしたり、バインダーで頭をたたいたり、暴言を吐いたりなどの15項目に及ぶ不適切な行為をしていたことが明らかになっている。さらに、園長がこれらの事案について口外しないよう園の複数の保育士に誓約書を書かせ、犯行を隠蔽(いんぺい)しようとしていたとして刑事告発された。市側が事案の把握から公表までに時間がかかったことも問題視されている。

 会見で小倉担当相は「子供の安全安心が最も配慮されるべき保育所において、このような事案はあってはならず、誠に遺憾に感じている。日々、一生懸命、真面目に働いている全国の職員にとっても大変失礼な話だ。静岡県および裾野市においては、保育園に対して特別指導監査を行っており、監査の結果も踏まえ、今後厳正に対処されると考えている」とした。

 児童福祉法における保育士の罰則規定で、都道府県知事は、保育士が禁固以上に処せられた場合や、信用を傷つけるような行為を行った場合などに登録を取り消すことができるとしている。小倉担当相は「保育士登録を取り消されるようなことを行った保育士が、資格を取り消されるまでの間に他の施設で保育士として勤務することがないように、保育士が虐待に当たるような行為をした時には、施設から情報が市町村や都道府県に共有され、行政において事実関係を把握し、必要に応じて処分を行う、といった一連の流れを速やかに行うことが大変重要だ。今後、厚労省と連携して各都道府県に厳正に対応してもらうよう検討していきたい」とした。

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