2023年4月のこども家庭庁発足を前に、子育て家庭がオンラインで必要な情報に素早く簡単にアクセスでき、さまざまな行政手続きを行うことができる環境を整えるため、小倉将信こども政策担当相は12月13日、「こども政策DX推進チーム」を12月中に立ち上げることを閣議後会見で明らかにした。マイナンバーカードの専用サイト「マイナポータル」を活用するなどして、子育て家庭などの負担軽減を図っていく方針。最初に保育所の申し込み時にこれまで紙で提出していた「就労証明書」について、24年度の申請分からオンライン化を目指すことにしている。
チームリーダーを務める小倉担当相は会見で「子育て世代は仕事と育児の両立の中で大変な負担を負っている。こうした中で、DXを推進して子育てを今までより少しでも楽しく、安心便利に行ってもらえるよう、行政もしっかり汗をかくべきだと感じている」と述べた。
こども家庭庁設立準備室によると、同チームが推進するのは「DXで『こどもまんなか』プロジェクト」。今後の主な検討課題としては、子育て家庭について、これまで紙中心だった行政手続きの負担を軽くするためマイナポータルを利用したオンライン化の推進、DXを活用した妊娠時から産後の育児までの伴走型支援、子育て世帯とのつながりを強化するための経済的支援など。保育所などの事業者や地方自治体の事務負担の軽減についても、保育所などの基本情報のデータベースの整備、必要な情報や入力方法の整理などをデジタル庁と連携しながら行うこととしている。
同プロジェクトの背景としては、子育て家庭から「行政手続き」「子育てサービス」「子育ての不安や悩み」「経済的な支援」に関する要望が多いことがある。例えば「行政手続き」については、「何をどのタイミングで、どこでするべきか戸惑った」「予防接種のスケジュール管理が難しい」「妊婦健診の助成券も手書きで大変」という指摘があった。「子育てサービス」についても「紙媒体の情報が多く、個別になっているので一覧になったホームページが欲しい」「子育て支援に関するリアルタイム情報が得られる場所があれば」などの悩みが寄せられたという。
小倉担当相は「保育サービスなどの利用にあたって必要な情報に簡単にアクセスでき、申請がオンラインで完結すること、妊娠、出産の不安、子育てに悩んだ時、アプリを使った正確な情報の入手やSNSなどを通じた相談ができること、経済的な支援について、電子カタログで商品を選択でき、役立つ情報もプッシュ型で入力できることを理想の姿として取り組んでいきたいと考えている」とした。
12月中に同チームを立ち上げ、22年度内に今後の取り組みの工程表を策定する予定。必要な予算については24年度概算要求に盛り込むことにしている。