大学入試センターは1月20日、大学入学共通テスト本試験2日目(15日)に行われた理科②で、得点調整を行うと発表した。得点調整は2021年以来、2年ぶりで、大学入試センター試験を含めると4回目となる。これに伴い、生物と化学の受験者は最大12点が加算される。
同センターによると、共通テストでは、原則として1万人以上の受験者がいる科目で20点以上の平均点差が生じ、これが試験問題の難易差に基づくものとして認められた場合に、得点調整を行なうとしている。
1月20日に同センターが公表した2回目の中間集計では、理科②の平均点において、物理が63.39点(受験者数14万4866人)だったのに対し、化学48.56点(同18万2168人)、生物39.74点(同5万7875人)と最大23.65点の差があった。また地学は受験者数が1655人だったため、調整対象に含まれない。
得点調整は平均点が最も高かった科目と最も低かった科目の得点差が15点になるように、受験者の得点に加算する。加算点は元の素点に応じて異なり、今回の場合、生物では0~12点。最大12点の加算は43~61点の受験者が該当する。化学は0~7点で、7点加算は42~68点の受験者が対象。得点調整の結果、平均点は化学が54.01点、生物が48.46点となる=図表。素点と得点調整後の点数の換算表は大学入試センターのホームページで確認できる。
共通テストは今回で3回目だが、得点調整は早くも2回目。同センターの担当者は「20点まではなくても、15点差以上開いたことは、センター試験の頃でもあった」と述べた上で、「もっと長くやっていくといろいろ見えてくると思うが、まずは今年の結果をしっかりと分析して、改善に向かっていければと思う」とした。
2年連続で平均点が過去最低を更新している生物については、前回の報告書の中で、「問題の工夫はいいが、計算など問題を解くのに時間がかかる部分があるので見直してほしい」との指摘があったことを明かしたものの、理由については「やはり何らかの要因があると思う。どういう点で改善の余地があるのか、しっかり検証したい」と明言を避けた。
今後は高校教員などによる「外部評価分科会」や、各教科の学会・教育研究団体などから意見を集め、難易度や問題の内容が適正だったかに加え、前回の課題が今回のテストにどのように生かされたかを検証。報告書を作成し、6月中に公表する予定。また、正答率が悪かった問題の課題点などを外部から集めるために、これまで公表していなかった設問別の正答率や得点分布に関する資料も、報告書と合わせて公表するとした。