「送金なければ生徒や教員殺す」 全国の高校などに脅迫ファクス

「送金なければ生徒や教員殺す」 全国の高校などに脅迫ファクス
埼玉県がホームページに掲載した脅迫ファクスについての通知
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 生徒や教員に危害を加えるといった内容のファクスが1月24日未明から全国各地の高校などに送られていることが、複数の自治体や文科省への取材で同日、分かった。中には、臨時休校の措置を取った自治体もあり、関係者は「本当にやめてほしい」と憤りを口にした。

 埼玉県教委によると、「本日13時34分までにお金を振り込まなければ、生徒や教員を殺害する」という内容のファクスが県内の学校に届いたという。同日午前10時半現在で、ファクスが届いた学校は▽県立学校 135校▽市立高校 1校。これらの学校には原則として臨時休校とするよう指示するとともに、警察と連携して対応するよう求めた。また、この日に予定していた特別支援学校高等部職業学科と高等部分校の追試験は中止とした。

 埼玉県立大宮高校(鎌田勝之校長、生徒1060人)では、午前8時ごろに事務員がファクスを確認。始業30分前ということもあり、半数程度の生徒が登校していたという。始業後間もなく、県から休校の指示を受けたため、教員が生徒に事情を説明した上で、帰宅させた。同校の秋山好正教頭は「(受験シーズンの)3年生に限らず、全ての生徒が教育を受けることを阻害されている。迷惑だ」と話した。

 神奈川県でも、130余りの県内の高校に24日午前3時ごろからファクスが届いたという。同県教委によると、内容は「指定した口座に300万円振り込まなければ、生徒を改造銃で殺す」といったもの。これを受け同日、全ての県立高校に対して、不審者や不審物に対する注意喚起の事務連絡を行った。休校などの措置は取っていないという。

 報道によると、同様のファクスは大阪府や広島県、新潟県など全国各地で確認されており、各地の警察が業務妨害の疑いで発信元を捜査している。

 文科省も複数の都道府県から報告を受けているとし、「目的が良く分からないが、本当にやめてもらいたい」と述べつつ、「必要以上に騒ぎ立てることで、さらに拍車が掛かったり、まねしたりする者が出る恐れもある」(男女共同参画共生社会学習・安全課)と警戒感を示した。

 1月16日ごろから19日ごろにかけても、「子供を通学中に同時多発的に殺害します」などと書かれたメールが複数の行政機関や学校などに届いており、文科省が注意喚起を行っていた。

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