永岡桂子文科相は2月2日の衆院予算委で、今春の卒業式での児童生徒のマスク着用について、「個人というよりも家庭での議論というのが非常に大きな要素を占めると思っている。卒業式でマスクを外すかどうかに関しては、今後速やかに検討していく」と答弁し、マスクに関する政府の方針が決まるのを待って判断する考えを改めて示した。政府の感染症対策会議は1月27日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを5月8日から5類へ移行すると決めたが、この際にまとめた対応方針で、マスクについては屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねることを基本に見直し、その時期などを検討するとしていた。文科省としては、こうした政府の方針が確定してから学校現場でのマスクの取り扱いを示す考え。
この日、立憲民主党の柚木道義議員が卒業式のマスク着用に関して、「2月の終わり頃に文科省から通知が来ても児童生徒は対応できない。マスクを着用するしないが現場のせいにならないよう、現場が混乱しないよう緩和の時期や内容を示してほしい」と質問。
これに対して、永岡文科相は「卒業式にマスクの着用をするかどうかが、教師の責任とならないように考えている。マスクをするしない、というのは(政府方針は)個人で考えるということだが、やはり子供たちのことなので学校の中でマスクを外すかどうかというのは、個人というよりも家庭での議論というのが非常に大きな要素を占めると思っている。学校で、卒業式でマスクを外すかどうかに関して、今後速やかに検討していく」と述べた。
さらに柚木議員が「卒業式に子供・学生たちはマスクを外して参加出席、保護者も含めてできる可能性があるということでいいか」と問うと、永岡文科相は「家庭での議論を含めてマスクをしなければ嫌だ、出席したくないというお子さんはマスクをし、そしてマスクは外しますと家庭で決めた方はマスクを外しての参加となろうかと思っている」と述べた。
永岡文科相は同日夕、卒業式に「家庭で決めた場合はマスクを外しての参加になる」とした自らの答弁について、省内で記者団に対して「1月27日に政府がマスクについては行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択として、着用は個人の判断に委ねることを基本として検討しているとした趣旨を答えたもの。(政府の対応方針では)同時にマスクの取り扱いの検討に関しては感染状況等も踏まえて今後早期に見直し、時期も含めてその結果を示すとされている。現時点で卒業式のマスクの取り扱いについて決めたという事実はない」と説明した。
さらに「家庭で決めた場合はマスクを外しての参加になる」とした自身の発言の真意について、「学校には小さい子供もいるので、その子に委ねるというのはちょっと無責任かと思う。やはり家庭での議論が必要なのではないかという思いで話をした」と述べ、理解を求めた。その上で、「文科省としては政府全体での検討を踏まえて、卒業式を含めた学校におけるマスクの着用に関して今後どのような対応していくかについて、なるべく早く検討していきたい」と追加した。