広島市内の中学校で3月3日午前、1年生の男子生徒が同級生の男子生徒を包丁で切り付ける傷害事案が発生した。切り付けられた生徒は左手や左腕をけがしたものの、命に別状はない。
広島市教委によると、3日午前8時15分ごろ、市立中学校の男子トイレで、1年生の男子生徒(13)が同じクラスの男子生徒(12)を自宅から持ってきた包丁で切り付けた。
被害に遭った男子生徒は左手や左腕を数カ所切られ、市内の病院に搬送されたが、命に別状はなく、手当てを受けて自宅に帰ったという。
異常を察知した生徒から連絡を受けた教員が男子生徒を確保。警察と消防に通報した。切り付けた生徒は、警察が到着するまでの間、教員に対し「相手は誰でもよかった」などと話していたという。2人の間に現在のところ、トラブルなどは確認されていない。
事案のあった学校では、切り付けた男子生徒を確保した後、午前中は各教室で生徒らを落ち着かせるなどのケアに当たり、午後からは通常通り授業を行った。合わせて、必要に応じて保護者に連絡をしたり、市のカウンセラーにつないだりといった対応を行ったという。生徒らの不安を増大させないため、一斉下校はさせなかった。
また、事案のあった中学校では同日午後7時から、緊急の保護者会を開催。概要や今後の対応を説明している。市では土日もスクールカウンセラーによる相談体制を整え、生徒の心のケアにあたるという。6日は通常通り授業を行う予定。