自民党は4月13日、「こども・若者」輝く未来創造本部(本部長:茂木敏充幹事長)・政調全体合同会議を党本部で開き、先に政府が示した「異次元の少子化対策」のたたき台について議論した。萩生田光一政調会長は、たたき台に示された項目について政調の各部会で議論するよう指示。6月に政府が示す経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に向けて、与党内でも具体策の検討が始まった。
会議の冒頭、茂木幹事長は「今月からこども家庭庁がスタートした。子供政策強化元年と言えるような1年につながるように取り組んでいきたい。政府は『こども未来戦略会議』を立ち上げ、具体的政策の内容、そして予算財源についての検討を始めており、この創造本部と政調で6月の『骨太の方針』に向けた議論を加速させていきたい」と述べた。
その上で、少子化対策を支える財源の問題に触れ、「政府と与党とは今まで以上に連携しながら議論を進める必要がある」と強調。「少子化対策は若者・子供の問題だけではなくて、将来的には労働力人口が減ってしまう、まさに日本経済全体の問題だ。現役世代は社会保障の担い手であるから、日本が世界に誇る社会保障制度の持続可能性にも関わる問題だと考えている。誰もが将来に希望を持って安心して子育てできる、暮らせるような社会を目指して議論を加速していきたい」とした。
続いて萩生田政調会長が、12日に総務省が発表した総人口推計で前年比75万人減、出生数が死亡者数を下回る自然減が73万人となったことに触れ、「首相が指摘している2030年代に入るまでのこの5、6年がラストチャンスという危機感を党全体で共有し、実効性ある政策を立案、実行していきたい」とあいさつ。たたき台については、各部会で議論を掘り下げるようよう指示した。
「こども・若者」輝く未来実現会議座長の木原稔衆院議員によると、この日の会合ではたたき台について「賃上げが大事で、特に地方の若者の給料を上げてほしい、最低賃金は上げるべき」「公教育の再生というようなことを入れてほしい」といった意見のほか、児童手当の所得制限については、「撤廃という人もいれば、やはり所得に応じて支援すべきという両方」、また高等教育についても給付型奨学金の拡充を求める声があったという。
党では今後、政府の戦略会議での議論を見守りながら、たたき台を具体化させる検討を進めていく方針。