「制服バンク」でリユース品のマッチング 千葉県柏市が導入

「制服バンク」でリユース品のマッチング 千葉県柏市が導入
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 千葉県柏市はこのほど、来年度の新中学1年生を対象にリユース制服のマッチング事業「柏市制服バンク」に乗り出すと発表した。市内の全21中学校の制服が対象で、オンライン上で出品などができ、提携するクリーニング店経由で制服の受け渡しが可能。市によると、同市のような中核市規模の自治体主導で、制服のリユース事業が展開されるのは全国的にも珍しいという。

 市の担当者によると、市内では以前から制服の「お下がり」が主流だった。同市の中学校では登下校時こそ制服を着用するが、授業や学級活動は校内服であるジャージに着替え参加する文化がある。そのため3年間着用した後の制服も、比較的きれいな状態のものが多いという。これまでもPTAなどが主催し各中学校単位で制服の譲渡会が行われていたが、コロナ禍の影響で中止せざるを得なかった。

 そこで市が主導で、制服を譲りたい人と譲ってほしい人をつなぐプラットホームの立ち上げに乗り出した。まず、制服を譲りたい人は申請フォームから制服の情報を登録する。学校名や種類、サイズ、状態などの他に写真を5枚までアップでき、制服の細部まで分かるように工夫した。譲り受けたい人とマッチングが成立すると、市から連絡があり、市が提携するクリーニング店に持ち込む。持ち込まれた制服は、クリーニング店がクリーニングしたのち、次の持ち主に引き渡す仕組みだ。制服を持ち込んだ側には、図書カード1000円分が進呈される。

 クリーニング店を引き渡し場所にしたことで、自治体や学校側の負担が軽減されるだけでなく、保護者や新入生へ配慮した。市の担当者は「譲り受けたい保護者や生徒が学校や教育委員会を実際に訪れて相談するのは、心理的負担になることが予想される。その点に配慮した」と説明する。

 運用初年度はどれほどのニーズがあるか分からないため、就学援助を受けている生徒を優先的に案内する方針。ただ担当者は「経済的支援の観点以外からも、幅広い生徒に利用してほしい」と呼び掛けている。

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