北九州市教育委員会は7月25日から、市内の教員を対象に、ChatGPTを活用して自動回答するシステムの試験運用を開始する。同市によると全国初の取り組み。これまで学校現場から問い合わせの多かったGIGA端末の使い方や故障した場合の対処法など、学校ICTに関する質問に特化して対応し、教員の負担を軽減させる狙い。
同市ではすでに今年4月から、学校ICT関連の質問に自動で回答するチャットボットを試験運用している。しかし事前に登録した範囲でしか回答できないチャットボットでは、現場のニーズに沿った回答が導き出せなかったり、ユーザーが求める情報にたどり着くまでに時間がかかったりなど課題点が見えてきた。
そこでチャットボットにChatGPTを連携させ、回答の幅を広げることで、現場の教員が求める情報にアクセスしやすいシステムにアップデートするという。教委があらかじめ学習させた通知やマニュアルの情報が基となっているため、市の実態に沿った回答が導き出せるほか、情報の正確性が確保しやすく、著作権侵害の恐れも低いという。
市の担当者は「私たちが電話で対応する感覚で、回答を返してくれるのではないか。現場の先生たちが『あれ?』と思ったときに、授業中でも自分の端末で調べられ、解決できるシステムを目指したい」と期待を寄せる。
試験期間は来年3月まで。ユーザーアンケートで改善点を洗い出すなどして、将来的には教委が学校に示すあらゆる情報を網羅したシステムに展開する構想もあるという。