今月16日から25日にかけてスイスで開催された国際化学オリンピックでメダルに輝いた日本代表の高校生が7月26日、文科省を訪れ、永岡桂子文科相から表彰状を授与された。表敬訪問後、教育新聞の取材に応じた生徒たちによると、懇談では海外の同世代との交流を巡る話題で盛り上がったといい、永岡文科相から生徒に向けて国際交流の大切さや、英語力向上に向けてエールが送られたという。
今大会では、出場した4人全員がメダルを獲得。金メダルには山之内望花(みか)さん(久留米大学附設高校3年)、松坂康平さん(東海高校3年)、銀メダルには鈴木晴翔(はると)さん(聖光学院高校3年)、田中舜さん(徳島市立高校3年)が、それぞれ輝いた。
表敬では生徒それぞれに永岡文科相から表彰状が授与されたほか、およそ30分間にわたり永岡文科相と生徒が懇談した。生徒がオリンピックでのエピソードや海外の高校生と交流した上での気付きについて報告したほか、永岡文科相からは自身も国際交流を重視していることや、生徒の英語力向上に向けてエールがあったという。
懇談後、教育新聞の取材に応じた生徒たちは、海外の高校生たちとの交流でさまざまな刺激を受けたと語った。田中さんは、「『エクスカーション』という時間があり、他国の代表選手と交流した。企業の見学や山登りなどの時間を通して、さまざまな国の文化や知識を共有することができた。とても楽しかった」と振り返った。
同じく鈴木さんも「海外の高校生に日本語がとても上手な方や、日本文化にとても詳しい方がいた。海外の人が日本文化に興味を持つきっかけとして、日本のアニメや漫画が主流なので、私たちもそれらをもっと知ろうと思う」と述べた。
今回のメダル獲得を巡って、学校の活動はどのように生きたか尋ねたところ、山之内さんは「所属している化学部のおかげでメダルを獲得できた」と強調。「部活動で主に滴定(てきてい)の練習をしていた。オリンピックの実験の課題でも滴定が出題された。普段部活動でやっていたことが、アドバンテージになった」と手応えを語った。
それを受けて松坂さんは、「私の学校には化学部がないので、あればいいなと思う。化学オリンピックの学習はレベルが高いと感じたので、そのようなことを学校でも学びたい」と意欲を見せた。