全国の公立学校教員が加入している「公立学校共済組合」は今年度、産休や育休から復帰した教員が搾乳スペースとして使える「マザーズルーム」や、教員が休憩を取ることができる「リフレッシュルーム」を全国の約10校の公立学校に試験的に開設する。教員が働きやすい環境整備を目的としており、8月末には第1号として、東京都八王子市立いずみの森義務教育学校に「マザーズルーム」が設置された。いずれも2024年度まで運用し、学校設置者の教育委員会と協力しながら教員の働きやすさや健康に与える効果を確かめる。
同組合はこうした部屋やスペースを開設する学校の設置者に対し、必要な備品の購入費として上限50万円を支援する。民間企業では、出産後の女性の復職を支援しようと、社内に搾乳スペースなどを開設する動きが広がっており、こうした取り組みを学校現場にも広げていくための好事例を示したい考えだ。
八王子市教委によると、いずみの森義務教育学校の「マザーズルーム」は約30平方㍍。時間割調整などの工夫によって生み出した空き教室を活用した。ソファーベッドや間仕切り用のカーテンなどが備わっており、母乳を保管するための冷蔵庫もある。市教委としては搾乳スペースとしてだけではなく、生理や更年期による体調不良時の休憩、業務の合間のリフレッシュなどにも活用してもらうつもりだという。