【適応指導教室を改革する(8)】学校・担任の先生との連携

【適応指導教室を改革する(8)】学校・担任の先生との連携
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 「適応指導教室があまりに楽しいと、学校に戻る気にならないのではないですか?」

 長めの休み時間を確保した時間割やさまざまなグループ活動、そして行事予定を見て、ある学校の担任の先生が言った言葉です。

 楽しくなければ、エネルギーは湧いてはこない。さまざまな体験からエネルギーを蓄えて元気になった子どもたちは、自らの足で前に向かって歩み出す。長い間の適応指導教室での支援の中で、私はそう確信しています。

 冒頭の言葉から、学校の先生方に適応指導教室での支援を理解してもらい、連携を強化していく必要を感じました。それまでも資料の送付や連絡票でのやりとりはしていましたが、顔の見える連携を目指して、学校訪問を始めました。適応指導教室についてよく知らない先生もいて、たくさんの誤解があることも分かりました。できることの確認とともに、できないことの確認もすること、そして相互理解することが大事なのだと考えるに至っています。学校と適応指導教室が、不登校の子どもの成長を支えるチームになることが大切です。

 その後は、年に1回の学校訪問、年に3回の担任の先生との面談、毎月の連絡票でのやりとりの他に、子どもの様子の変化について、電話での連絡をまめに行っています。

 適応指導教室には、学校や担任の先生との関わりを拒否する子どもがいて、「先生に嫌われているのではないか」「迷惑を掛けて申し訳ないから会えない」と思っていることも少なからずあります。そうした場合は、仲人の役割をして関係をつないでいきます。また、「放課後、先生に会ってみたい」「得意な授業だけ参加してみたい」などと希望が出てきたときにも連絡を取り、子どもと先生と一緒に実現の方法を考えるなどしてフォローしていきます。

 時々、「追い詰めるといけないから、連絡をしたいけど迷っている」という相談を先生から受けます。でも、コミュニケーションを取ることがそのまま追い詰めることになるわけではありません。そうした場合は、その子どもを理解しようと関わること自体が支援になることをお伝えしています。

 「不登校は子どももつらい。親もつらい。先生もつらい」ものです。だからこそ誰かに責任を負わせない、「悪者をつくらない連携」が必要なのです。さまざまな機関との連携も含め、適応指導教室だからできる「つなげる役割」があると実感しています。

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