第6回 指示待ちの子がぐんぐん自主的になる言葉かけ

第6回 指示待ちの子がぐんぐん自主的になる言葉かけ
【協賛企画】
広 告

 過度に大人の指示を待つ子が生まれてしまう要因は、それまでの大人の関わり方が大きく影響しています。特に、周囲と同じ行動を取ることが暗に推奨されてきた学級文化が根付いていると、指示を受けて動くことが当たり前になってしまいます。

 こうした子が自主的な学びに向かうために、私は「あなたはどう考えているの?」と問い掛ける言葉かけをしています。同時に、そもそもクラスメートと異なる学習行動が選択できるように、授業を構成することが大切です。

 まずは言葉かけについてです。指示されることで安心する子が、次なるステップとして「自分で考え、自主的な学習行動」を起こすには、安心感を与えつつも具体的な指示は避け、問い掛けて促すことが大切です。

 以下は、国語科の学習計画の場面で、Aさんが前時の学習の振り返りを見直していたときのやりとりです。

 

教師:Aさん、今日はどんな学習活動を考えていますか?

:取りあえず下書きはできたのですが、どうしようか迷っています。

教師:下書きは既に完成しているんですね。さすがです。文章構成の工夫にもAさんの考えがよく表れています。では、ここからどうしたらよいでしょう?今の文章がもっと伝わるためには、どんな工夫ができると思いますか?

:事例を増やしたら、説得力が上がるかもしれません。

教師:いいですね。やってみましょう。自分で考えて決めたことが素晴らしいです。

 

 このように問い掛けを通して考える時間を生み出すようにしています。

 加えて、「周りと違った行動が選択できる授業構築」も大切です。例えば、国語科の書く単元で、「推敲(すいこう)」と「共有」の学習過程を同時並行で学び進める単元構築にすると、教室の中に推敲している子と共有している子が混在する状況が生まれます。

「推敲」と「共有」の学習過程を同時並行で学び進める単元構築
「推敲」と「共有」の学習過程を同時並行で学び進める単元構築

 時には、こうした一斉一律の学習活動ではない場面があると、指示待ちの子が安心して、自らの学習行動を選ぶことができるように感じています。

広 告
広 告