「部活」「保護者対応」が負担に 教育改革で教員アンケート、青森県

「部活」「保護者対応」が負担に 教育改革で教員アンケート、青森県
アンケート結果をテキストマイニングで分析した(同県提供)
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 学校教育の改革に向けて今夏に立ち上がった「青森県教育改革有識者会議」は9月25日、県内の全教職員や保護者を対象に、学校現場の課題について尋ねたアンケート調査の結果を公表した。教員に業務を阻害する要因を尋ねたところ、「部活動指導」や「勤務時間」「保護者対応」などのキーワードが浮かび上がった。

 同調査は、8月28日から9月5日までの回答(教職員約1万1100人中5504人、保護者1919人)を集計。いずれも自由記述で、教員としての業務を阻害している原因や、改革・改善が必要だと思うことなどについて尋ねた。結果はAIを使った「テキストマイニング」で分析した。

 教員に、業務を阻害していることや無駄に感じることを尋ねたところ、「部活動指導」(1066件)、「勤務時間」(974件)、「保護者対応」(876件)などが多く挙がった。

 自由記述では、教員が抱えている苦しい胸の内がつまびらかになった。「部活動指導」では、「部活動で平日の長時間にわたる練習や週休日の練習を強要される」「短時間で終えたり、週休日を休みにしたりすると『他の部はやっている』『熱意が足りない』などと、校長、教頭に長時間にわたり叱責(しっせき)を受けたことも複数回ある」などの意見があった。

 「勤務時間」については、「土日のPTA行事にもほとんど参加しなきゃいけないような雰囲気がある」「登校指導に地域の方も入ってくださっているのに、教員も朝からつかなければいけない」などの声が上がった。

 「保護者対応」では、「極力個人の電話番号は教えないようにしているが、部活動などの関係で教えざるを得ないことがある。休日でも電話やメールをしてくる保護者がいる」「保護者対応でささいなことでも連絡して、家庭との情報共有をしなければいけない。連絡が取れるまで帰れない」などの意見があった

 さらに、改善や改革が必要なことについても尋ねたところ、「教員数」(1551件)を指摘する声が突出して多かった。

 一方、保護者に対しても改善や改革が必要なことを尋ねたところ、「教員の対応」(249件)、「部活動」(245件)を中心に意見が相次いだ。「教員の対応」について自由記述では、「先生によって教え方のばらつきが大きく、当たり外れがあるように感じる」「強い子どもの言いなりになっているように見える。教師は生徒に平等に接する必要がある」といった声があった。

 議長を務める大谷真樹知事参与は「現場の先生の大変さを可視化させて、県民に広く示すことが狙い。学校や教育行政だけで抱えるのではなく、保護者も含めた県民に共通認識を持ってもらうことで、実現可能な教育改革につなげていく」と、学校関係者だけでなく地域をあげて教育改革に挑む必要性を強調した。

 有識者会議では今回のアンケート結果や議論を踏まえ、来月中をめどに中間報告をまとめる方針。また来年1月をめどに知事へ最終提言をまとめる。

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