文科省は10月10日、学校現場で生成AIの活用を検証するパイロット校として38自治体53校を選出したと公表した。パイロット校は生成AIを活用した授業や校務の効率化に取り組みながら、学校現場に生成AIを取り入れる上で有効な事例や課題を検証する。期限は今年度末まで。
同省は今年7月に示した「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」で、先駆的な取り組みを進める生成AIパイロット校を公募していた。
今回内定したのは▽小学校 4校▽中学校 27校▽義務教育学校 4校▽高校 17校▽中等教育学校 1校。パイロット校は同省のガイドラインを順守した上で、生成AIを活用した教育活動や校務の効率化などに取り組む。特に、生徒の利用が想定される教育活動の活用では、募集要項で「生成AIの性質やメリット・デメリット、AIには自我や人格がないこと、生成AIに全てを委ねるのではなく自己の判断や考えが重要であること」を生徒らに十分に理解させた上で取り組むよう強調。「生成AI自体を学ぶ」「使い方を学ぶ」「各教科等の学びで積極的に用いる」「日常使いする」といった段階を踏みながら、有効な取り組みを検証する。
また、生成AI各社の利用規約では年齢制限や保護者の同意の必要などが定められており、サービスによっては小学生が利用できないケースもある。同省によると、パイロット校に選出された小学校では教員が校務で活用するほか、授業中に教員が生成AIを使い得た情報を児童に提示する形式などが想定されている。
同省の担当者は、各パイロット校に向けて「成果や課題を十分に検証していただき、生成AIの教育利用について議論を深めるための知見を提供してほしい」と期待を寄せた。
パイロット校は同省のホームページで確認できる。