(鉄筆)韓国で小学校若手教師が

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 韓国で7月に小学校の若手教師が校内で自殺したことが報道された。遺書もなく韓国では自殺報道のガイドラインが厳しいため、原因や動機は詳らかにされていない。同僚教師は、担任をする児童間のトラブルを巡り保護者から侮蔑的な言葉で強く抗議を受けたことに悩んでいたと話した。

 日本でも子供間のトラブルに関わって保護者から強い抗議を受け、担任が精神的に追い詰められる事案がある。子供間のトラブルに適切に対応していても、トラブルが起きたことについて被害側保護者が担任を責め、要望や要求が過度になっていく。教師は解決の見通しが持てず、肉体的、精神的に追い詰められる。全教職員で情報を共有し組織的に対応をしていても、否、組織的に対応するが故に保護者への対応は学校全体を疲弊させ、教育への活力を失わせる。

 7月に文科省から2022年度学校教員統計中間報告が公表された。公立小中学校の教員の平均年齢が低下し若手の教員の割合が増え、子供の指導、保護者の対応に不慣れな教員が増えていることを示唆する。全てが保護者の苦情が原因とは言えないが、精神疾患による離職が増加している。

 教員不足が課題となり、今年度の教採試験では志願者が昨年度より6000人減っているという。現職の貴重な人材、有為な人材を失わないようにしなければならない。

 学校はこれまでも保護者との信頼関係を築いたり、若手教師の指導力を高めたりする努力をしてきている。国や教委は保護者の理不尽な要求から学校を守る制度を早急につくることが求められる。

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