(鉄筆)公立中学校の「10月行事予定表」

(鉄筆)公立中学校の「10月行事予定表」
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 ある公立中学校の「10月行事予定表」を見る機会があった。行事欄に何も記載のない日が、授業日21日のうち4日しかなかった。この予定表の末尾に記載されている11月の予定も確認したが、やはり同様に授業日20日のうち何も行事予定がないのは5日だった。

 予定表を見る限り、働き方改革が話題になる以前と何ら変わっていない。知り合いの教員からは、以前と比べて業務が軽減された実感はないという声も聞く。この予定表を見て改めて、その感を深めた。

 2020年1月17日付で文科省が発出した「『公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針』の告示等について(通知)」に基づき、教委では勤務時間の上限を定める規則を制定している。

 この指針には、「持ち帰り業務の扱いについて」の記載があり、「在校等時間の上限を遵守することのみが目的化し、それにより自宅等における持ち帰り業務の時間が増加することはあってはならないこと」とある。当然のことであり、勤務時間の上限の設定と業務量の削減はセットで考えなければ、多忙感は解消されない。

 教員の勤務時間は以前に比べて若干減少しているとの調査結果がある。しかし、教員の実感とは乖離(かいり)があるように思う。持ち帰り業務時間も含めた正確な実態把握が必要である。目に見え、教員が実感できる改革でなければ意味がない。それでないと、かえって教員を追い込むことになりかねない。

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