小学3年生の総合的な学習の時間の授業を参観した。多くの子がタブレットを使用している。少し前と違って子供たちの操作やキーの打ち込みが素早くなっている。
グループでタブレットをのぞき込んで何やら話し合っている姿。一人でじっと画面を見つめ操作している子供。一方でカードをKJ法的に整理・分析しているグループもある。グループや個々で整理・分析の方法を選択しているようだ。ICTは道具であるのだから当然だろう。総合的な学習の時間だから何をツールとして活用するかは子供に任せるべきことだ。
参観していて気になったことがある。KJ法的にカードを使っている子供たちの活動の変化はアナログなので捉えることができる。変化から考えていることが想像できる。一方でタブレットの中はすぐ映像が変わっていくので、何を考えているのかが想像できない。瞬間的に反応しているようだが、じっくり考えているのだろうか。
前人未到の8大タイトル独占を成し遂げた藤井聡太竜王は、AIの影響を受ける現代将棋の中でも最もAIの判断に近い指し手をするといわれている。小学6年生で初段になったころ、師匠の杉本昌隆8段にAIを使いたいと申し出た。まだ早いと止められ、中学生になってから使い始めた。「答えが容易に出てしまうAIはもろ刃の剣。楽をしてしまうのが怖い」とのこと。
藤井竜王は「AIの将棋観の良いところを取り入れるためには、自分で考えることが絶対に必要だと思う」と語っている。ICT活用の戒めにしたい。