少年院在院者の6割、家族から虐待の経験 女子で割合高く

少年院在院者の6割、家族から虐待の経験 女子で割合高く
iStock.com/mapo
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 罪を犯して少年院に入っている少年の6割以上が、幼少期に家族から殴られるなど身体的な暴力を受けた経験があることが、法務省が12月8日に公表した2023年度版の犯罪白書で明らかになった。男子よりも女子で割合が高い傾向にあった。

 調査は、21年に少年院に入っていた13~19歳の男女591人(男子526人、女子65人)を対象に、幼少期の虐待や家庭内暴力、家族の精神疾患など、逆境体験の有無について調べた。

 その結果、幼少期に何らかのトラウマになる逆境体験をしていたのは、男子で86.8%、女子で94.6%に上った。さらに具体的な内容を挙げて尋ねると、12項目のうち10項目で男子よりも女子の方が多く該当した。

 「家族から、殴る蹴るといった体の暴力を受けた」と回答したのは全体で6割以上に上った。男子は59.6%だった一方で、女子は73.2%を占めた。また「家族から心が傷つくような言葉を言われるといった精神的な暴力を受けた」と回答したのは、全体で約4割だった。男子は40.0%にとどまった一方で、女子は78.6%に上り、12項目の中で男女の差が最も大きかった。

 その他に「母親が父親から暴力を受けていた」は34.8%(男子33.1%、女子50.0%)、「家族から十分に気に掛けてもらえなかった」は19.3%(男子15.9%、女子50.0%)など、いずれも女子の割合が高い傾向にあった。

 同省は、非行の背景に幼少期の逆境体験が影響していることを踏まえ、少年らを指導する職員がトラウマに関する知識をつける必要性を改めて指摘した。

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