(鉄筆)ビートルズ“最後の新曲"

(鉄筆)ビートルズ“最後の新曲"
【協賛企画】
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 先日、ザ・ビートルズのジョン・レノンが生前に残したテープを音源に、AIを活用してボーカル部分だけを取り出し、他のメンバーの演奏を加えて作成した「ナウ・アンド・ゼン」という、ビートルズ“最後の新曲”が発売された。

 このような技術で出来上がった音楽の評価は分かれるだろう。しかし、例えば親しくしていた人が生前、残していた音源をもとに、AIを活用して本人と話しているように会話ができるようになれば、生前を懐かしむことができるかもしれない。

 最近、スマホの性能が格段に上がり、写真に写り込んだものを消したり、動画の中の不要な音を軽減したりすることができる。目をつぶってしまっていても、似ている写真を組み合わせて目がぱっちりと開いているようにもできる。このように加工することによって、お気に入りのベストショットを残せるようになっている。

 このように作成された写真を個人的に楽しむのならば、問題はないだろう。しかし、SNS上に拡散された岸田文雄首相の偽動画になると問題は別である。この動画は首相の記者会見や演説などから音声データをAIに学習させ、制作者が用意した偽音声情報をもとに変換させて作ったらしい。某テレビ局のニュース番組のロゴも提示されており、一目では偽物とは分からない。

 これ以外にも、生成AIによって作成された偽画像だと言われたものが、実は本物だったという事例もある。学校では情報モラル教育に力を入れているが、情報の安全性について吟味できる力の育成も強く求められている。

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