(鉄筆)注目したい子供の視力

(鉄筆)注目したい子供の視力
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 文科省が2022年度「学校保健統計調査」の結果を11月に発表した。注目されるのが視力である。裸眼視力1.0未満の子供の割合が小学生37・8%、中学生61.2%、高校生71.5%といずれも過去最高。文科省は明言を避けているが、20年以降のコロナ禍による学校や家庭生活でのデジタル化が影響していることは想像に難くない。

 デジタル化がどのように進んでいるのか。内閣府が22年に行った青少年のインターネット利用環境実態調査によれば、使用時間は小学生3時間34分、中学生4時間37分、高校生5時間45分と学年進行に伴い増加。さらに10~17歳の利用率は実に98.5%とまさにインターネット社会をほうふつさせる数値だ。

 利用するデジタル機器は年齢が進むにつれパソコンからスマホへと小さな画面になっていくことも気になる。子供を取り巻くデジタル環境の状況が冒頭の文科省の調査結果の一因と考えられる。

 今後デジタル化はさらに進むであろうが、若年期からの視力低下は大きな問題である。専門家によれば小さい頃からの近視は将来、緑内障や網膜剥離、白内障などの眼疾患の原因ともなるという。

 対策の鍵を握るのが視聴時間である。ネット利用の上位は「動画」「検索」「ゲーム」(中学生)と、使用場所の多くは家庭であることから保護者の管理体制が重要となる。日本PTA全国協議会ではスマホ利用の家庭ルールに関するリーフレットを作成しているが、それでは不十分であろう。さらなる「親の本気度」を見せてもらいたいものである。

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