その学習量や授業時間を保護者・子供とも約6割が「ちょうどよい」と考えているのに対し、教師の約5割は「多過ぎる」「やや多い」と答えている。さらに、教師の8割以上が文科省の施策である「主体的・対話的で深い学び」に対し、「イメージできる・ややイメージできる」と答えている。
「主体的・対話的で深い学び」の重要性は理解しているが、学習指導要領の内容が多いためどうしても「知識・技能」習得のための指導を優先してしまうという教師の苦悩の声とみるのか、単に教師の指導力が低下しているだけなのか。一方で、「主体的…」に必要な「論理的思考」について重要と答えた教師は2割を切る。
生きた知識・技能とは目の前の事象に対し疑問を持ち仮説を立て検証を重ねながら疑問を解決する経緯の中で獲得する。獲得した知識などは生涯自分のものになるだけでなく、別の疑問が生まれさらに追究したいテーマとなる。まさに真の学びであり、これからの知的基盤社会において必要な要素である。他人から与えられる知識などは、多過ぎると学習意欲を低下させる結果を招き真の学びの障害ともなりかねない。
この調査結果はこれから始まる中教審にも提示されるという。各委員がどう読み取るか注目したい。
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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