能登半島地震で被災した新潟市の中原八一市長と同市議会の皆川英二議長が1月23日、文部科学省を訪れ、学校施設の復旧に向けた財政支援などを求める要望書を盛山正仁文科相に手渡した。面会は冒頭を除いて非公開で行われたが、終了後に取材に応じた中原市長によると、盛山文科相は「できる限りの支援をしたい」と述べたという。
同市教育委員会によると、能登半島地震によって、市立の全174校・園の約7割に当たる約120学校・園で、校舎の亀裂や地面のひび割れなどの被害が確認されている。市立坂井輪中学校は校舎が使えない状態となっており、3年生が近隣の小学校で授業を受けているほか、1、2年生はオンライン授業が続いている。
文科省によると、公立学校施設が災害で破損した場合、修繕費用の3分の2を国が負担する制度がある。今回の能登半島地震は「激甚災害」に指定されたため、国の負担率はさらに引き上げられる。ただ、被害額が小さいものは対象とはならず、市町村の場合、40万円未満の建物被害などは国庫負担を受けられない。
こうした現状を踏まえ、新潟市は要望書で、被害額が40万円未満の建物なども含め、復旧・修繕に必要な費用の全額を国が負担するよう求めた。また、学校の早期再開に向けて速やかに復旧工事を進めるため、制度の適用を受けるための事務手続きの簡略化も要望した。