(鉄筆)日記帳

(鉄筆)日記帳
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 毎年、新年を迎えると新しい日記帳を使い始める。1990年の年末に「10年日記」を手に入れた。1ページが1日分で91年から2000年までの10年分の日記が数行ずつ書き込めるようになっているもの。最後まで続けば、20世紀最後の10年間の自分の記録になるという思いが起爆剤になり、1日も欠かさず最後まで書き続けた。

 日記を付けるのが日々のルーティンになった。新しい世紀を迎えた01年1月1日から、1日1ページ34行のイギリス製の同じ日記帳を使い24冊目になる。「今日は何も書くことがないので…」という誘惑に負けないようにするため、毎日最後の行まで文字で埋めることを自分に課してきた。

 就寝前の20~30分間、日記帳を開く。特に、人との出会い、新たな発見、気付きなどとともに、納得がいかなかったこと、うまくいかなかったことなどがあると、それを中心につづる。長年続けていると、書くことで自分の頭の中を整理し、納得し、次への道筋を導き出していけるようになり、すっきりして眠りにつける。無事に終わった1日に感謝しつつ、心穏やかにその日を振り返り文章にするのもいいものである。

 親しい友人の急逝に接し、今年になり「今日1日、後悔なく過ごせたか」ということを意識し、そのことにも考慮しながらつづるようにしている。

 今年の1ページ目は、能登半島地震の記述から始まり心を痛めた。哀悼の意、お見舞いの意を表しながら、必ず光は見えてくる、そう信じ、今年も良い1年になることを祈りつつ新しい日記帳に向かっている。

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