(鉄筆)全員脱出・奇跡的

(鉄筆)全員脱出・奇跡的
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 「全員脱出、奇跡的」。羽田空港で日航機と海上保安庁航空機が衝突した事故。日航機の乗員乗客は着陸後18分で全員が脱出生還できた。燃え盛る炎の状況をテレビで見ていると多くの被害者が出たのではないかと心配した。

 衝突後の機内の様子を写した映像では「早く出せ」「出口を開けて」と怒声が飛んでいた。客室乗務員は「落ち着いてください」「鼻と口を押えて、低い姿勢になってください」と呼び掛けていた。着陸後1分もたたないうちに煙が漂い始めすぐに充満してきた。よく脱出できた。10分後に機体は爆発音とともに激しい炎に包まれた。まさに危機一髪。

 「奇跡だ」。海外のメディアからの称賛の声。各乗務員が炎の状況を見極め、適切な非常口を選んで誘導した。荷物を持たずに脱出するよう呼び掛けた。乗客もパニックにならずに指示通りに動いた。これらが奇跡を生み出した。

 同社では緊急時の脱出訓練を年1回、全乗務員を対象に丸1日かけて実施し、非常用ドアの操作の確認などを行っている。合格しなければ勤務から外される。命を預かる身であり当然だろう。

 学校ではどうだろう。定期的に、避難訓練を実施しているが真剣に行われているのか、実のある体験となっているか。1月1日に能登半島地震が起きた。わが国は地震大国だ。自然災害や事故は時や場所を選ばない。次年度の防災計画、危機管理計画の見直しと新計画の策定が始まっていよう。子供は自分の身を守る行動が、教師はとっさの危機回避の判断と誘導ができる力を付ける訓練の計画・実施をお願いしたい。

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